企業型確定拠出年金(DC)って説明会出たっきりログインしてないなぁ
こんな20~30代若手社員の方にぜひ見て頂きたい、
「企業型確定拠出年金の運用を成功させるコツ」について、私自身の経験・運用実績を交えてご紹介したいと思います。
企業型確定拠出年金(以下DC)ってみなさんしっかり運用されてますか?
実は私もはじめはそうだったのですが、DC運用の重要性って若手ほど気づかないものです。
なぜなら入社してから間もない頃は、目の前に覚えるべきことがたくさんあるわけです。
そんな中で30~40年先の年金の運用について言われても、正直イメージつきませんし、あとまわしにしてしまうのもムリありません。
ですがこのDC、運用設定の内容次第では、「退職後に受け取る金額が倍以上変わる可能性がある」ということをご存じでしょうか?
退職金を倍以上アップさせようと思うと血のにじむような努力が必要です。
ですが、DCについては優良な商品を選ぶだけで受取金額を倍以上にアップできる可能性があります。
DCの運用状況がわからない・放置されているという方はぜひご覧いただければと思います。
結論を先に言うと、「株式インデックスファンドを運用しましょう」というお話です。
- 企業型確定拠出年金(DC)がよくわからない
- 企業型確定拠出年金(DC)で何を運用しているかわからない
- 企業型確定拠出年金(DC)に数年ログインしてない
- 企業型確定拠出年金(DC)の運用結果で同期と差をつけたい
企業型確定拠出年金(DC)ってなに?
わけもわからず加入させられている方もいると思うので、DCの概要とメリットについて簡単に触れておきます。
企業型確定拠出年金(DC)とは、会社が掛金を積み立て(拠出)し、従業員が自ら運用しながら受け取る年金制度です。
原則60歳以降の受け取りとなるため、老後のための資産運用という位置づけです。
- 人生100年時代
- 老後2,000万円問題
など、さけばれる中『自分の老後資金は自分で運用しようね』という制度です。
自己責任となる一方で、ちゃんと運用すれば自ら年金を増やすことができるわけなので、しっかり活用したい制度ですね。
DCは税制優遇が素晴らしい
DCは税制面でのメリットが大きい制度です。
「老後資金の資産形成」が目的なら特定口座よりも優先して活用することをおすすめします。
具体的には以下のようなメリットがあります。
①運用益が非課税になる
一般的に株の売買などで得た利益については、約20%の税金がかかります。
ですが、DCについては運用益が非課税となります。
②受け取るときも「控除」が適用される
所得控除が適用になり、一定額までは非課税となります。
一時金であれば「退職所得控除」、年金であれば「公的年金等控除」が受けられ、税を軽減することができます。
③マッチング拠出でさらに節税できる
会社が拠出する掛金に加えて、我々従業員本人が掛金を上乗せして拠出することができます。このしくみを「マッチング拠出」といいます。
マッチング拠出で我々従業員が拠出する掛金については、全額所得控除の対象となり、所得税・住民税が軽減されます。
そんなにおトクなら、いっぱいマッチング拠出したらいいんじゃないの?
マッチング拠出には上限があって、企業側の掛金額以下かつ、企業の掛金額と足して拠出限度額を超えられないようになってるんだ。
じゃあ、上限いっぱいしたほうがいいのね
基本はそう思ってる。ただし、60歳まで原則引き出しできないので、余裕資金は別で確保しておく必要があるよ。
管理人(30代サラリーマン)のリアルな運用実績は?
私の勤める会社でDCが始まったのは、入社から2年後でした。
当初は適当に割り振っていましたが、2016年にインデックス投資を知り、2021年12月現在にいたるまで株式インデックスファンドへの投資で5年間運用しました。
現在の運用状況は以下のとおりです。
評価損益(⇒インデックス投資の運用状況)
・運用金額(投資元本)=1,235,653円
・評価損益(含み益)=578,554円
・運用利回り(年平均利回り)=12.19%
という状況です。
現時点の運用利回りの年平均が12%というのはちょっと出来すぎですね。
ですが30年くらいの運用期間があれば、「年平均利回り5%以上」は十分狙える利回りだと考えています。
元本割れリスクのない銀行預金と比べるべきではありませんが、このご時世ですさまじい利回りですよね。
利回り分布と今回警鐘を鳴らしたい人
続いて利回り分布です。
こちらは私がDCを運用しているみずほ銀行のDCマイページ内の画像ですが、
「他のみなさんと比べたときに、自分の運用利回りがどこに位置しているか」を示すデータです。
運営管理機関(みずほ銀行)全加入者データなので、おそらく国内全体でもそう大きく変わらない分布だと思います。
現状、私はピンク色の「10%以上」のトップ層に位置しています。
コロナを機に、明らかに分布が2極化しました。
そして今回警鐘を鳴らしたいポイントがここなのですが、
実に約30%の層が「0%以上」「0%未満」のどちらかに分布しています。
おそらくですが、この層には結構な数の、
よくらんわからないから後回しにしよう
コワいから元本割れしないのを選んでおこうかしら
という方が含まれていると思われます。
ちなみに私も妻もそうでした。
特にDCは自らの意思や投資経験に関係なく「では、運用がんばってください!」とスタートするので、こうなりがちです。
また、何も設定していないと意図せず自動的に「元本保証型」を選択されるケースもあります。
しかしながらこのままの運用設定だと、後々かなりの差がつく可能性があります。
30年後をシミュレーションしてみよう
以下の条件で、DCの運用結果にどれだけ差がつくかシミュレーションしてみましょう。
- 運用期間は30年
- 掛金は月2万円
- Aさんは元本保証(利回り0%)で運用
- Bさんはインデックス投資で利回り5%運用
Aさんの場合(元本保証で運用)
Aさんは元本保証なのでシミュレーションするまでもなく、
30年×12ヵ月×2万円=720万円
となります。
Bさんの場合(インデックス投資で利回り5%運用)
続いてBさんを見てみましょう。楽天証券さんのシミュレーションをお借りしました。
結果は画像の通りで、
Bさんの運用結果は約1,665万円となりました。
Aさんの運用結果である720万円と比較すると、実に倍以上に増えています。
血のにじむような努力で出世して退職金を増やすのと比べ、インデックス投資は購入設定を行うだけすので、大した労力もいりません。
10分程度で済む作業です。
もちろん皮算用ではあるのですが、株式インデックスファンドを30年運用して平均利回り5%というのは無理のない設定です。
あとは掛金次第です。
掛金の限度額は会社によっても異なりますが、「会社拠出+マッチング拠出で2万円/月」は十分狙えるラインではないかと考えます。
DC運用のコツはインデックス投資!(⇒おすすめは全世界株式)
では最後に、私が考えるDC運用のコツを具体的な商品と併せて紹介します。
若いうちは、
- 全世界株式インデックスファンドを選ぶ
- 配分比率はできるだけ高め
で運用することが私のおすすめです。
全世界株式ってなに?
世界全体の株式に広く分散して投資することができるインデックスファンドです。
また、リバランス(=時価総額に応じて各国への投資比率を変更)を、勝手に行ってくれるので「ほったらかし」にマッチした商品です。
いわばインデックス投資の王道です。
全世界株式の魅力について興味がある方向けの参考記事はこちらです。
全世界株式に投資できる商品がない場合は?
運用する金融機関によっては商品ラインナップに「全世界株式」がない可能性があります。
実は、私がDCを運用するみずほ銀行では全世界株式の取り扱いがありません。
この場合は、複数の商品を組み合わせて「全世界株式相当」にすることができます。
具体的には、
- 先進国株式…80%
- 新興国株式…13%
- 国内株式…7%
上記の割合で組み合わせれば、2021年12月時点の全世界株式相当のポートフォリオを組むことができます。
一点、リバランスがセルフ運用となるのは注意点です。
リバランスはeMAXIS Slim 全世界株式の商品ページなどで公開されている交付目論見書をたまに参考に調整すれば、全世界株式相当のポートフォリオを維持することができます。
私はさぼっちゃうかもw
だろうねw
リバランスの目安は年に1度くらいだけど、よほど世界情勢がかわるようなことがない限り、ほったらかしでもいいと思ってるよ。
配分比率は株式100%でもいいの?
ご自身のリスク許容度次第となりますが、20~30代の若手社員であれば、私は当面株式100%でよいと思っています。
理由は、
- 運用期間が長い(長期なら株式のリターンが優位)
- 運用益の非課税メリットを最大限享受した方がよい
と考えるためです。
一般的に過去の歴史を踏まえると、15年以上の長期運用であれば株式が元本割れするリスクは極めて低く、長期になるほど現金や金・債券などの他の資産と比べてリターンが高いです。
また、運用益が非課税になる枠は貴重なので、リターンの高い商品を優先して運用し、低リスク商品によるリスク分散はDCとは別の枠で行った方がよいと思います。
加齢とともに受給時期が近づいてきたら?
20年、30年先の話になりますが、受給時期が近づいてきたタイミングで暴落が訪れると、受給計画に影響が出てしまいます。
一般的には加齢とともに株式の比率を下げていくのがよいとされています。
ただ、DCだけで判断するのではなく他の資産運用状況も踏まえ、保有資産全体のリスク資産比率で調整していくのがいいと思います。
私個人的には、正直50歳すぎるくらいまでは何も考えなくてもいいかな、と思っています。
というのは、おそらく今後も制度がどんどん見直され、今考えても仕方がないと思うからです。
例えば、2022年度には、確定拠出年金制度で以下のような改正があります。
- 受給開始時期の上限が「75歳」に延長
- 企業型の加入可能年齢が、65歳未満から70歳未満に拡大
- iDeCoの加入可能年齢が、60歳未満から65歳未満に拡大
高齢化社会が進むにつれて「年金運用の自己責任化」は進み、それに伴って今後も制度は緩和されていく方向になるのでは、と考えています。
まとめ
今回の記事では、企業型確定拠出年金(DC)の運用について、若手社員向けの警鐘とともにおすすめ運用について紹介しました。
簡単にまとめると以下のようなお話でした。
資産形成においてリターンは、
投資元本×利回り×運用期間 で生み出されます。
利回りはコントロールできませんが、投資元本と運用期間は自身でコントロールできます。
ただし、投資元本は途中から積み立て額を増やせても、「運用期間」だけは短くなっていく一方で取り戻すことができません。
できるだけ若いうちによい商品を選び、積み立てていくことが大事です。
そして資産運用は世界経済の成長に任せてしまい、本業のスキルを磨いて楽しい会社生活を送ることをおすすめします。
私もまだまだヒヨッコですが!
ね!w
以上、最後までお読みいただきありがとうございました!
ではまた!
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