インデックス投資

【39%の方が実質元本割れ?】企業型確定拠出年金(DC)の利回り分布を見てみる

こんにちは、えーたパパ(@eitapapa_fireです。
インデックス投資で1億円の資産形成をめざすサラリーマンパパです。

今回は、私も加入している『企業型確定拠出年金(DC)の利回り分布』について記事にしてみます。

お盆休みで妻子が実家に帰っているということで、暇を持て余してDCの運用状況を覗いてます。

覗いてみた感想としては、

  • コロナを機に運用利回りの良しあしがハッキリ別れた印象
  • 実質元本割れの可能性がある利回り2%未満の分布が結構多い(39%)

といった感じでございました。

実際のキャプチャも交えながら紹介していきたいと思います。

この記事はこんな方におすすめ
  • 企業型確定拠出年金(DC)の管理画面に1年以上ログインしてない
  • 自分の運用利回りがどれくらいかわからない
  • 実質元本割れライン「2%」の意味がわからない

運用利回りの確認方法・定義

えーたパパ

私が運用しているDCの運用利回り、利回りの定義から確認してみたいと思います。

自身の運用利回りを確認

まずは自身の運用利回りを確認したいと思います。

私が勤める会社の運営管理機関はみずほ銀行なのですが、みずほ銀行の場合、ログインするとこのように、いきなり資産状況が表示されるようになっています。

この緑枠で囲った部分が『運用利回り』です。

  • 初回入金来:12.11%
  • 直近一年 :25.17%

と記載されています。

運用利回りの定義を確認

先ほどの数字が示す意味を確認したいと思います。キャプチャの『運用利回り』横の『?』を押すと以下のように表示されます。

赤枠に囲った部分に記載されておりますが、簡単に言えば、

  • 初回入金来:初回入金日~現在まで『何%』の利率で運用されたか?
  • 直近一年 :直近一年に限定して『何%』の利率で運用されたか?

という理論上の利回りです。

積み立て型の投資の場合、平均利回りを計算するのが手間だったりしますが、みずほ銀行さんは自動で計算してくれ親切ですね。

私の場合、2014年6月から運用を開始しているので、初回入金来の利回りは7年間の平均値として12.1%で運用できている、ということになります。

かなり高い利回りになっていますが、愚直な積み立て効果と併せて、コロナによる暴落期間中に安く購入できたことが大きく影響しています。

とは言いつつも私も7%運用を目指しているくらいですので、さすがに今後はもっと落ち着いた利回りに収束すると思っています。

えーたパパ

つみたて投資は暴落に強いと改めて実感!

運用利回り分布を確認してみる

続いて、運用利回りの分布を見てみます。

この分布ですが、『運営管理機関の全加入者の初回入金来の利回りの分布状況』とあります。

モーニングスターさんの過去記事を見ると、

  • みずほ銀行の加入者数はわが国最大で2014年時点で100万人

とありますので、少なくとも100万人以上の平均データであり、国内全体で見てもそう大きく変わらないものではないか、と想像します。

これを見て私が注目する点は以下です。

  • 利回り10%超の分布が全体の約15%に。かなり伸びている 
  • 一般的な元本ラインである『0%台』以下が約32%
  • 日銀目標のインフレを考慮した元本ラインである『2%』未満は39%

『10%以上』の分布について

キャプチャを残せていなくて残念なのですが、コロナが起こる前10%超の分布は全体の5%に満たなかったと思います。

私自身2019年12月時点の利回りは7.5%程度でしたので、今回のコロナショックを機に10%超の仲間入りをしております。

おそらく、私をはじめ愚直にインデックス投資を行ってきた方々が新たにメンバー入りしたのだと思われます。

参考情報程度にして頂ければと思いますが、仮に元金100万円を追加投資一切せずに30年間、利回り10%で放置した場合のシミュレーションは以下です。
ファンドの海さんの複利シミュレーションを利用させていただいてます)

複利シミュレーションしてみた

元本確保型の利回り0%の商品を選んだ場合、30年後ももちろん100万円のままです。

対して、利回り10%だった場合は1,745万円に育っています。実に17倍以上です。

もちろん、利回り10%はできすぎだと思っていますし、私も7%程度を期待して運用しているくらいなので、

『複利って強力!』
『選択する商品によって相当な差が開く可能性がある』

ということだけお伝えできればと思います。

えーたパパ

労働量に関わらない部分で、選んだ商品次第で同期とこれだけの差がつくのは許し難い!と思ってます。

『0%台』以下の分布について

おそらく『0%以上』『0%未満』に分布している方(全体の約32%)は、『元本確保型』の商品を選択しているのではないかと思います。

まず、『元本確保型』の商品を選ぶこと自体を、私は否定しません。

加入者の年齢が60歳手前で、給付直前での暴落リスクを回避するために元本確保型を選んでおられる方もいらっしゃると思います。

この場合、正しい判断だと思います。

ただ実際は、

『よくわからんから元本確保型にしとこう』とか、
『面倒で何も選択しなかった(⇒自動的に元本確保型に)』という方がいらっしゃるのではないかと思います。

特にDCの場合はiDeCoと違って本人の意思に関係なく、受動的に加入させられるのも影響していると考えます。私自身、2016年にインデックス投資を始める前はそうでした。

もし自分が上記のような考え方に当てはまる、という方がいらっしゃれば、

先ほどのシミュレーションのように、リスクを取って投資をする方との間に大きな差が生まれてしまう可能性があることを一考した上で、改めて商品を選択するのもありではないでしょうか。

『2%』未満の『実質元本割れリスク』について

実は利回り2%未満の場合、『実質的に元本割れするリスクがある』ということをご存知でしょうか。

私が企業型確定拠出年金(DC)を始める際は、会社の説明会で講師の方から、

『利回り2%以上を目指してください!』 と言われました。

これはどういう意図なのでしょうか?

答えは、『インフレ率』を考慮した数字です。

インフレとは、『物の価値が上がって、お金の価値が相対的に下がる』ということです。

えーたパパ

昔100円で買えてたアイスが、今は120円とかしたりしますよね。
アレがインフレです。

なんで『2%』?

これは我らが日本銀行が掲げている目標値から出てきています。

日本銀行は、消費者物価の上昇率(インフレ率)を年2%とする「物価安定の目標」を掲げ、目標の実現に向けた金融政策を行っています。

実際のところ、日本のインフレ率は2015~2019年にかけては、0.79%、−0.12%、0.47%、0.98%、0.48%とで推移しているため、実態はまだまだ伴っていないものの、国を挙げて立てている目標です。

なんだか難しい言葉も出てきましたが、要は、

国が目標として掲げているインフレ率が実現すると、毎年2%ずつお金の価値が下がっていく

ということを頭の片隅で意識できればと思います。

なので、『お金が減るのはいやだ!元本確保型一択!!』という方も、インフレ率を考慮すると実は元本割れするリスクを取っているということになります。

27年後の運用結果をシミュレーションしてみた

最後にみずほ銀行さんの運用シミュレーションで遊んでみました。

みずほ銀行さんは『リスク許容度診断』や『運用シミュレーション』もできて便利ですね。

まず、前提条件を以下のとおり設定しました。

私の場合、マッチング拠出も行っているので、積立額と同額で設定しています。

また、現在の年齢が33歳なので拠出終了時の年齢を60歳とすると、運用期間はざっくり27年間になります。

では、シミュレーション結果がこちらです。

キャプチャだと少し見づらいので運用結果部分だけ再掲しますと、

  • 運用元本:784万円
  • リターン(期待収益率)のとおり:2,671万円
  • 運用がうまくいったとき:6,675万円
  • 運用がうまくいかなかったとき:1,114万円

となりました。

『運用がうまくいったとき』の6,675万円はさすがに胸熱ですが、未来のことはわかりませんし、加齢とともにポートフォリオも見直すため、私もお遊び程度にしか考えていません。

ここで注目したいのは『運用がうまくいかなかったとき』の1,114万円が元本の784万円を超えている点です。

このシミュレーションがいつからいつまでの株式市場過去データを参考とされているかにもよりますが、少なくとも参考にした過去データによると、このような結果になるようです。

うまくいかなくても元本以上、というのはインデックス投資を始める後押しになるのではないでしょうか。

シミュレーションは投資判断の後押しにつながるので、参考程度にぜひやってみてはいかがでしょうか。

まとめ

今回は『企業型確定拠出年金(DC)の利回り分布』 について記事にしてみました。

未来のことは誰にもわかりませんが、現状の傾向が続くとするならば、インデックス投資を行う方とそうでない方で運用結果に数倍以上の大差がつく可能性がありそうです。

また、『元本確保型』を選択している方も含め利回り2%未満(全体の約39%)の方は、目標インフレ率を考慮すると実質的に元本割れするリスクを取っていることをお伝えしました。

このようなことを考慮し、戦略的に商品を選ばれているのであればよいと思います。

もし、『まったく考えてなかった!』という方は、この記事が一考の機会になれば幸いです。

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