「サイドFIRE」ってFIREと何が違うの?どうやったら実現できるのかしら?
という方に、ぜひお読みいただきたい記事です。
こんにちは、えーたパパです。
インデックス投資で1億円の資産形成& サイドFIREをめざすサラリーマンパパです。
「FIRE」という新しいライフスタイルに注目が集まってきており、最近では、本屋やメディアでも「FIRE」の文字をよく見かけるようになってきました。
資産運用を行うことで早期退職を実現するというのがFIREの基本的な考え方ですが、このFIREに派生して「サイドFIRE」という考えがあるのをご存じでしょうか?
今回は、FIREの中でも比較的実現性が高く、実際にわが家もめざしている「サイドFIRE」について詳しく紹介したいと思います。
- そもそもFIREって何?
- FIREとサイドFIREの違いは?
- サイドFIREのメリット・デメリット
- サイドFIREの実現、シミュレーション方法
そもそもFIREって何?
サイドFIREについて紹介する前に、前提となる「FIRE」という考え方をおさらいしておきたいと思います。
FIREとは「Financial Independence, Retire Early」の略で、経済的に自立し早期にリタイアを実現する考え方です。
- Financial Independence =経済的自立
- Retire Early =早期に退職
「お金の不安から解放されて、自由な生活を手に入れたい」という方にとてもマッチする考え方ですね。
全人類そうじゃないの?!
元々は欧米を中心に流行した考え方ですが、最近では日本でもかなり注目を浴びるようになり、有名書籍も書店に並ぶようになってきました。
FIREと早期リタイアの違いは?
日本でも従来から「早期リタイア(=定年前に退職する)」という考え方はありました。
FIREも従来の早期リタイアも、「早期に退職する」という点では同じですが、退職後の生活が大きく異なります。
早期リタイアの場合、退職後は積み上げてきた貯蓄+年金で生活していくのに対し、
FIREの場合、投資などの資産運用から得られる収入(=運用益)を確保し、運用益で生活できるようになってからリタイアします。
資産運用から得られる収入の一例としては、インデックス投資で得た含み益や、株式から得られる配当が挙げられます。
早期リタイアで貯蓄を切り崩すだけだと、年金収入が入るまで資産がどんどん目減りしていきます。
一方FIREでは、年金とは別の不労所得を得ながら生活することで、資産の取り崩しを最低限に抑えます。
FIREはいくら必要なの?
そうは言っても結構な資産が必要なんじゃない?
FIRE関連書籍でもよく言われているのが、「年間支出の25倍の資産が必要」という意見です。
例を挙げますと、
- 年間支出が300万円の場合:7,500万円
- 年間支出が400万円の場合:1億円
- 年間支出が500万円の場合:1.25億円
となります。
いや、まぁ結構な金額だよ!
現金だけで稼ぐのは厳しい金額。早いうちから資産運用を行って、時間×複利で資産を築くこと前提になってくると思う。
ふむふむ。ところでなんで支出の25倍なの?
「4%ルール」という考えが背景にあるんだ。次に紹介するね。
「4%ルール」って何?
4%ルールは、アメリカの大学で研究された「トリニティスタディ」という論文がベースになった考え方です。
トリニティスタディの主なポイントは以下です。
株式:債券=75%:25%程度の比率で資産を作り、取り崩し率4%の範囲で生活する事ができれば、数十年間に渡って資産が枯渇する事なく維持できる確率が高い
トリニティスタディ(2018年アップデート版)のいうところの株式はS&P500指数に連動したインデックスファンド、債券は長期米国債です。
先ほどの具体例に戻ると、年間支出が400万円の方の目標金額は1億円としておりました。
これは資産1億円を4%で取り崩した場合に400万円となるからですね。
これがFIREの目標金額は支出の25倍と言われる理由です。
【参考】4%ルールの注意点
トリニティスタディを背景に提唱される4%ルールは、あくまで米国の話です。
日本でFIREをめざすなら、これをそのまま鵜呑みにするのはリスクがあります。
例えば、以下のような点に考慮する必要があります。
- 日本の課税制度(譲渡益、配当課税)
- 日本の年金制度
- 為替の影響
また、もちろんのことながら、支出はライフステージによって異なります。
今現時点で年間支出が400万円だとしても、子育てにおいては塾代や学費で支出が極端に大きくなるステージもあります。
そのため、4%ルールは参考程度にしつつ、実際にFIREを実現するためにはライフステージを意識した綿密なシミュレーションが必要と言えるでしょう。
シミュレーション方法の例については後程紹介します。
サイドFIREとは?
先ほどまで紹介してきたFIREを「フルFIRE」(=不労所得&完全リタイア型)と定義した上で、本題である「サイドFIRE」という考え方について紹介します。
よほどの資産・収入があるか、恐ろしく支出が少ない方でない限りは「フルFIRE」は簡単ではないので、多くの人にとってはサイドFIREの方が参考になるかと思います。
サイドFIREの考え方、フルFIREとの違い
サイドFIREは、資産運用による不労所得を得ながら、必要最低限の収入を仕事で稼ぐスタイルです。
簡単に言うと、「フルFIREするには足りない分」を働いて補います。
フルFIREとの大きな違いは、「労働による収入確保」が残る点です。
上の図は一例ですが、年間の生活費300万円の方が、4%ルールをベースに資産運用収入のみでFIREを実現しようと思うと、7,500万円の資産が必要となります。
一方でサイドFIREの場合、5,000万円まで資産を育て上げて年間200万円を資産運用収入を確保し、残り100万円部分のみを労働収入から得ていく形です。
労働の部分は、正社員よりも自己の裁量で労働時間をコントロールしやすい「個人事業主・パート・アルバイトなど」で補うのが一般的です。
サイドFIREしても、結局、働き続ける必要があるのね?
と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
ですが、300万円を労働収入で稼ぐのと、100万円を労働収入で稼ぐのとでは、労働条件も大きく異なってきます。
100万円のみ稼げばいい、ということなら、
- 給料は安くても自分のやりたい仕事を選ぶ
- 週2~3日だけ働く
- 趣味のオフシーズンだけ働く
など、自分のライフスタイルを充実させるための様々な選択肢が出てきます。
これがサイドFIREの魅力と言えるでしょう。
サイドFIREにはいくら必要?
先ほど述べましたように、サイドFIREは資産運用収入+労働収入で支出をカバーするスタイルです。
そのため、必要な資産額は、
- 必要な支出
- 労働で確保する収入
によって異なります。
例えばですが、
- 年間の支出額は300万円
- 労働収入で100万円は確保可能
この場合で、税引き後利回り4%で資産運用できるとするならば、サイドFIREに必要な資産は5,000万円(×4%で200万円の資産運用収入を確保)となります。
サイドFIREのメリット
サイドFIREのメリットは以下です。
- 実現可能性が高まる
- FIRE失敗時のリスクヘッジになる
- 復職問題のリスクヘッジになる
FIREはまだ新しい考え方で、とりわけ日本では最近耳にするようになったレベルです。
あまりある資産を持った方を除けば、実際にFIREを達成して人生を全うした方はほとんどいないかと思います。
そういう意味では、実例も少ない中で実行するのはかなり勇気のいることです。
だからこそ、失敗ときにカバーできるような安心材料がほしいです。
サイドFIREのメリットは、フルFIREと比較して「リスクヘッジ(=保険)」が効く点だと思います。
一つ一つ見ていきましょう。
メリット①実現可能性が高まる
一つの目安となる「支出の25倍」の資産を形成するのは、決して簡単ではありません。
仮に、長期・分散投資で比較的手堅い手法であるインデックス投資であっても、年間の期待リターンは5~7%程度に考えるのが一般的です。
例え複利を利かせたとしても、まとまった資金がない限りは、FIRE目標額に達するまでに20~30年かかったりするケースもあります。
サイドFIREの場合、資産運用から得られる収入で足りない分だけ勤労収入で補えばよいため、実現の可能性を高めてくれます。
仮にサイドFIRE時に100万円を勤労収入で補えるとするならば、年間支出が300万円の方の資産目標額は以下となります。
- フルFIREの場合 :300万円×25=7,500万円
- サイドFIREの場合:200万円×25=5,000万円
目標額が大幅に下がるのは大きいですね。
メリット②FIRE失敗時のリスクヘッジになる
FIRE達成後に予期せぬアクシデントに見舞われた際、勤労収入があればリスクヘッジになります。
例えば、
- 退職とともにリーマンショックを超える大暴落に見舞われた
- 退職後、事故やトラブルで想定外の大きな出費が出た
といった事態が発生しないとも限りません。
この場合も、小さくても仕事さえ続けていれば、労働量や労働期間を調整することで、この難局を乗り越えやすくなります。
必要になったとき、復職すればいいんじゃないのかしら?
という意見もあると思います。
一理はあるのですが、次で紹介する「復職問題」が気になるところです。
メリット③復職問題のリスクヘッジになる
フルFIREで完全に退職した場合、キャリアが止まることになります。
一度キャリアを止めてしまうと、もし何かしらの理由で再就職が必要になったとき、採用の幅は狭まりがちです。
特に、ブランクが空けばあくほど、採用する側にとっての印象はよくないでしょう。
また、ご自身にとっても長く仕事から離れた後の現役復帰は、精神的ストレスが大きいかもしれません。
確かに…育児休職から復帰するときも不安だったよ…。
サイドFIREであれば「現役」であり続けるので、仮にやむを得ない事情でもっとるす働く必要が出てきても、無職からの復職よりも容易な「転職」で済みます。
サイドFIREのデメリット
サイドFIREのデメリットは以下です。
- 仕事を完全にやめるわけではない
- 資産運用(特に投資)の利回りは安定ではない
デメリット①仕事を完全にやめるわけではない
FIREをめざすにあたって、
仕事はしたくない!
という方も中にはいらっしゃるでしょう。
サイドFIREは労働量を少なくしたり、好きな仕事を選んだりすることができるものの、あくまで仕事は続けます。
そのため、「仕事は絶対にしたくない!」という方にはサイドFIREという考えはマッチしません。
どうしても仕事をしたくない場合は、「リーンFIRE」という生き方がマッチするかもしれません。
リーンFIREは、極限まで支出を減らすことで実現しますので、できるだけモノを持たないミニマリスト志向の方であれば選択肢として出てくるかもしれません。
私は働いてないと引きこもってしまいそうなので、サイドFIREくらいのライフスタイルが理想的だったりします。
デメリット②資産運用の利回りは安定ではない
これはフルFIRE、サイドFIREのいずれの場合もそうですが、目標金額を達成後は、運用益を得つつ、資産を取り崩しながら生活します。
しかしながら、資産運用で得られる利回りはいいときも悪い時もあります。
4%を取り崩していく場合、株式市場の動向が悪ければ、運用益以上の取り崩しが必要になる可能性もあるなど、精神的に容易でないシーンもあります。
極端な例ですが、
- 資産5,000万円でFIRE。資産運用収入は4%にあたる年間200万円を期待
- FIRE直後に大暴落が直撃。資産は3,000万円に。
- 不安ながらに200万円を取り崩すか、4%にあたる120万円を取り崩して残り80万円分仕事を増やすか…。
といったケースも考えられます。
利回りは不安定でありながら、一方の支出はどうしても削れない部分があるため、リスクヘッジが欲しいところです。
具体的には、
- サイドFIREの労働収入はある程度余裕をもって確保
- 有事の際をしのぐ現金バリア(2~3年分の生活費等)を確保
といった手段が挙げられます。
サイドFIREの実現方法
ここまで、サイドFIREのメリット・デメリットを紹介してきましたが、
どうやって実現したらいいの?
という点が気になりますよね。
正直なところ、実現までの道のりは各世帯の状況(家族構成や年齢、持ち家有無や資産額等)によって大きく異なります。
なので、あくまで「成功のポイント」という形で紹介したいと思います。
ポイント①支出を十分に把握する
まずは世帯における支出を十分に把握します。
ざっくりとしたFIRE達成の目標額は必要な支出から逆算しますので、支出を正確に把握することが重要です。
家計簿なんてつけたことないよ…。
という方には、家計簿アプリがおすすめです。
口座連携をさせるだけで、たいていの支出を自動で集計してくれるようになります。
私のおすすめはマネーフォワードMEです。
使い勝手は少し気になるものの、「絶対無料派!」という方には『おかねのコンパス』がおすすめです。
ライフステージによって変わる支出を考慮する
支出はライフステージによって異なる点にご注意ください。
特にお子さんがいらっしゃる場合は、学費や習い事、受験など大型の支出が発生しますし、進学先によっても大きく必要金額が異なります。
そのため、現在の支出を元に「ベースの支出」を把握したうえで、ライフステージによる変動支出を考慮していく必要があります。
流行しているFIRE本では、この点はあまり考慮されず、「とりあえず支出の25倍」というキーワードだけ先行している点は注意です。
ライフステージを意識したFIREのシミュレーションツールも登場してきているので、記事の最後で紹介します。
ポイント②目標額を設定する
必要な支出から逆算して、サイドFIREを開始する際の目標資産額を設定します。
退職金などの大きな一時所得や、老後のベース収入となる年金も考慮して目標を考えます。
余裕をもって設定したいところですが、過度に余裕を持たせると実現が遠のいてしまいます。
早い段階であまり細かく考えすぎても仕方がないので、まずはざっくりで目標額を設定しつつ、数年に1回、直近の状況を踏まえて見直していくのがよいかと思います。
ポイント③余剰資金を投資に回す
FIREは資産運用から得られる収入で生活費をカバーします。
そのため、資産形成期の早期(特に20~30代)でその土台を作っていくことが重要です。
個別株のような集中型のハイリスクな投資ではなく、トリニティスタディの研究題材になっているような、長期分散投資(いわゆるインデックス投資)が王道です。
S&P500や全世界株式のような、数百~数千社の詰め合わせパックに対して投資することで、リスクを分散します。
期待リターンは一般的に5~7%程度と考えるのが一般的で、短期でドカーンではなく、複利を利かせながらゆっくり雪だるま式に資産を増やしていく手法です。
長期分散投資は15年も運用すれば元本割れリスクもほぼないと言われていますが、短期で見れば、元本割れリスクはありますし、大暴落が起きれば50%近く下げることもあります。
これらのリスクを理解した上でご自身のリスク許容度を見極め、余剰資金を早く投資に回して複利を利かせていくことが、資産形成の肝となってきます。
インデックス投資って何?という方はこちらの記事をご覧いただければと思います。
サイドFIREのおすすめシミュレーション方法
今の支出はわかったけど、これから子どもも大きくなって支出も増えそう。本当にサイドFIREできるか不安だわ…。
という方に、おすすめのシミュレーションツールを紹介します。
私のおすすめは、【ふくわら式】FIREシミュレータです。
有料になるのですが、非常にリアルなシミュレーションが可能でして、このシミュレータを使うと以下の2点がわかります。
- 何歳でFIREできるか?がわかる
- 人生を通じた収支(キャッシュフロー)がわかる
以下の記事で私の実体験レビューを紹介しておりますが、カンタンに主なポイントだけ抜粋します。
- 誰でもできる(簡単なエクセル入力)
- 入力情報の自由度が高い(ご家庭に合わせてチューニングできる)
- 資産運用にも対応(インデックス・高配当株投資)
- 何歳でFIREできるか自動算出
- いろんなパターンで比較しやすい
「FIRE×シミュレーション」で検索すれば、無料のシミュレーションツールもたくさん出てきますが、かなりざっくりとした情報しかわからないので、正直心もとないです。
私もいくつか試しましたが、年齢ごとのキャッシュフローが無いと、かなり不安になります。
入力情報の自由度が高く、年齢ごとの収支キャッシュフローまで出せるのは、私の知る限り本シミュレータだけでした。
FIRE、サイドFIREを本気でめざす方にはおすすめです。
【まとめ】サイドFIREとは
サイドFIREとは、資産運用による不労所得を得ながら、必要最低限の収入を仕事で稼ぐスタイルです。
完全に仕事を辞めるフルFIREと比較して、実現性が高く、万一のことがあった場合のリスクヘッジも効くのが特徴です。
サイドFIREの実現にあたっては、家計簿アプリなどを活用してベースの支出をしっかり把握し、さらにライフステージによる変動を考慮したシミュレーションを行うことが大事です。
実現にあたって必要な資産形成には時間がかかるので、若いうちから余剰資金を積極的に長期分散投資に回していくのがおすすめです。
ホントに実現できるといいね♪
めざすは45歳でサイドFIRE達成だ!
わが家もサイドFIREをめざしておりますが、自分の好きな仕事を好きな分だけこなしつつ、家族と一緒に過ごす時間を増やせるライフスタイルにとても魅力を感じています。
一度きりの人生を豊かに過ごすための選択肢の一つとして、ぜひ検討してみてはいかがでしょうか。
今回の記事は以上です。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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